複合機のUSB接続とは?スキャンや印刷が出来ない原因は何?
複合機とパソコンの連携が容易になり会議資料やパンフレット作成の作業効率が大きく向上しました。
一般的に多く利用されている連携方法としてネット通信(無線LAN)がありますが、その他にもUSB接続という方法があります。
ネット通信と比べてどんな特徴やメリットがあるのか、どのような環境で使用するのに向いているのか、詳しく説明していきます。
ネット通信設定が苦手な方や、出張先で接続することが多い方は是非参考にしてみてください。
目次
そもそもUSB接続って何?
USB接続とはUSBケーブルを使用してパソコンと複合機を接続する方法のことを言います。
USBにはいくつかの種類があり使用するパソコンや複合機に合ったものを選ぶ必要があります。
- Type-A(パソコンに使う標準的な規格)
- Type-B(複合機等に使われている規格)
- Type-C(最新のPC機器、スマートフォンに使われている規格)
- Lightning(iPhoneやMACPCに使われているアップル社独自の規格)
- microUSB(Androidスマホに使われている規格)
- miniUSB
USBケーブルは両端が異なる規格となっているものが販売されているので、用意するケーブルは一本で大丈夫です。
規格としては、それぞれ「Type-A」と「Type-B」であればPCと複合機を繋ぐ事が出来ます。
接続の際はインターネット回線は必要ありません。
複合機のUSB接続のやり方は?
ケーブルがあれば接続するだけというわけではありません。
初回の設定時にメーカー公式のダウンロードサイトにて『プリンタードライバー』と呼ばれるソフトをパソコンにインストールする必要があります。
そうすることでパソコンが複合機をデバイスとして認識可能となり正常に動作するようになります。
複合機におけるUSB接続のメリットとデメリットを解説!
USB接続以外でもパソコンと複合機は通信することが可能です。
USB接続のメリットやデメリットにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
『インターネット回線が不要』
ネット上で複合機と接続する場合、インターネット回線が必須となります。
簡単な情報などであればすぐに遅れるのですが、PDFなど容量の大きいものを送る場合ネット環境が悪いとスムーズに遅れなかったりして作業効率が落ちてしまいます。
最悪の場合、途中で途切れてしまったりして作業自体が完成しないこともありえます。
USB接続の場合、ネット通信は不要なので通信設定ができていない出張先やネット環境が悪い場合に向いています。
ややこしい設定もいらないので、誰でも簡単に操作できるのもメリットの一つです。
『基本的に1対1での操作になる』
USB接続は直接パソコンと複合機をつなぐので1対1となります。
他の人も同じ複合機を使用する場合は、USB接続している間は使用できません。
ただしUSB切替器を利用すれば、複数台のパソコンとUSB接続することはできます。
その場合も動作が安定しにくくなるという点があります。
『近くでしか操作できない』
直接パソコンと複合機を接続するので、ケーブルの長さの範囲までしか離れることができません。
ケーブルの中には10メートルほどの長さのものもありますが、動作の安定を考えると数メートルほどにした方がいいでしょう。
『業務用だとスキャナーが使えない』
基本的に業務用複合機の場合は、スキャナー機能が使えません。
家庭用だと使用出来ます。
複合機のUSB接続で印刷ができない場合の対処方法を解説!
USB接続に関する質問で多いのが「印刷ができない」というものです。
このような場合いくつかの対処方法があります。
『複合機の電源とエラー表示を確認する』
一番多いのが複合機の電源がはいっていないというパターンです。
電源が入っている場合は、ディスプレイにエラー表示が出ていないかを確認して、表示されている場合はマニュアルをみて対応しましょう。
『USBケーブルの接続をし直す』
持ち運びが多いパソコンなどは特に、接続部分に汚れなどが付着していたりすることがあります。
一度抜き差しするなどしてやり直してみましょう。
『プリンタードライバーが最新ではない』
初期設定でインストールするプリンタードライバーのソフトが古い場合があります。
一度メーカー公式サイトにアクセスして最新のものなのか確認してみましょう。
複合機におけるLAN接続のメリットとデメリットを解説!
LAN接続には有線のものもあるのですが、今回は無線のもので解説します。
複数のPCから複合機へ接続が可能 USB接続とは逆に初期設定が少し大変ですが、設定さえしてしまえばその職場のどのPCからでも複合機に接続が可能です。
毎日その場所で作業するという場合は無線LAN接続の方が便利と言えます。
また、様々な端末と接続がクラウド上で可能です。
USB接続は複合機のみとの接続になりますが、無線LAN接続の場合、グーグルドライブや共有シートなどクラウド上で簡単に共有が可能となります。
現場で写真撮影されたものを事務所で編集してすぐにプリントなど、数人で動いている場合などは無線LANの方がおすすめなのかもしれません。
逆にデメリットと言えば、ネット回線に影響を受ける事です。
ネット回線を使用して接続するので、環境が整っていない場合は作業ができません。
また、回線が弱っていたりすると容量の大きいファイルはなかなか作業が進まない場合もあります。
ネット回線がない場合の対処法は?Bluetoothでの接続もおすすめ!
Bluetoothは、スマホやヘッドフォンなどの身近なものでよく使われている短距離の無線通信技術の1つであり、国際標準規格です。
日本国内では2000年ごろから普及しはじめ、今では聞いたことのない方は少ないのではないでしょうか。
このBluetoothを使って複合機とパソコン、またはスマホを接続することができます。
以下で詳しい紹介をしていきます。
『Bluetooth接続の基本』
Bluetooth接続を行うには、まず複合機とパソコンやスマホなどのデバイスの両方で設定を有効にします。
次にデバイス側で複合機を検出し、ペアリング(接続)を行います。ペアリングが成功すると、デバイスから複合機へのデータ転送が可能になります。
Bluetooth接続は、短距離(約10メートル以内)での接続が最も効果的です。また、この接続は1対1の接続が基本です。
接続する際に注意していただきたいのは、接続したい両方の機器がBluetoothに対応している必要があることです。
複合機の場合は比較的高価なモデルには搭載されていますが、安価なモデルでは非搭載というのも珍しくはありません。
『Bluetooth接続での印刷のメリット・デメリット』
Bluetooth接続のメリットは、設定が簡単であること、ケーブルが不要であること、そして直接的なデバイス間での接続が可能であることです。
この手軽さにより、インターネットがない場所でも印刷が可能になります。
しかし、Bluetooth接続のデメリットとしては、データ転送速度が遅いこと、接続距離が短いこと、1度に1つのデバイスしか接続できないことが挙げられます。
簡易的な作業ではよいかもしれませんが、大きなデータを扱う場合などはネットワーク環境をしっかりと整えて作業したほうがよいですね。
『Wi-Fiとは?Bluetoothとの違い』
最近ではWi-Fiという言葉もとても身近なものとなりました。
一般的にインターネット接続のことを指すケースが大半ですが、少し言葉を整理をしておきましょう。
Wi-FiとBluetoothはどちらも無線LANという無線通信規格の1つです。このどちらもケーブルなしで接続できるものとなります。
それぞれ目的と特性が異なりますので、以下の項目で詳しく解説していきます。
- 通信距離
- データ転送速度
- 消費電力
詳しくみていきましょう。
通信距離
Wi-Fiの通信距離はBluetoothよりも長く、一般的には100メートル程度です。
一方、Bluetoothは通常10メートル以内の短距離通信に最適化されています。
例えば、Bluetoothはスマホとヘッドフォンやイヤホンなどの周辺機器を接続するために使用され、これらは使用者のすぐ近くにあることを想定しているため、通信距離が短くても問題ありません。
一方で、Wi-Fiはネットワーク環境を構築することを目的とし、インターネット接続や複数のデバイス間でのデータ共有などを可能にします。
この目的を達成するためには通信距離が長いほうが有利であるため、Wi-Fiはより広範囲なエリアをカバーしています。
データ転送速度
Wi-Fiは、Bluetoothよりも高速でのデータ転送が可能です。
これは、そもそもの前提として高速なインターネット接続をサポートするために設計されているためです。
一方、Bluetoothはデバイス間の直接的なデータ転送に重点を置いており、データ転送速度はWi-Fiよりも遅いです。
音楽をストリーミングしたり、小さなファイルデータを送信したりするのはBluetoothでも十分な速度です。
高解像度の動画をストリーミングしたり、大きなファイルを素早く送信するなどにはBluetoothよりもはるかに高速なWi-Fiが適しています。
つまり、どちらを利用するべきかは使用シーンや必要なデータ転送速度に合わせて選択すればよいということになります。
消費電力
消費電力に関しては、BluetoothのほうがWi-Fiと比べて少ないです。
これは、Bluetoothがモバイルデバイスやバッテリー駆動のデバイスによる使用を想定して設計されているためです。
また、Wi-FiはBluetoothと比べて広範囲なことをお伝えしましたが、これも消費電力に差がでる要因となります。具体的には、BluetoothはWi-Fiの3%程度の消費電力で済みます。
例えば、Wi-Fiで毎秒75バイトの速度でデータ送信をした場合には、約80ミリワットの電力が必要ですが、同条件でのBluetoothの消費電力はわずか2ミリワットです。
このように、身近なものを接続することを想定しているBluetoothと、ネットワーク構築を想定しているWi-Fiとでは消費電力に大きな差があります。
複合機のUSB接続と似た印刷方法は?
難しい設定が不要で誰でも簡単に操作できるUSB接続ですが、そのメリットのためにパソコンを毎回持ち歩くのは大変です。
そこでおすすめなのがUSBメモリーを使用した印刷方法です。
必要なデータをUSBメモリーにコピーしておいて、複合機に接続することで印刷が可能です。
この時に対応しているファイル形式には注意しましょう。
PDFやPNG、JPEGといった画像ファイルやOffice Open XML(pptx,xlsx,docx)は対応機種が多いです。
USBメモリについては次の項目でより詳しく解説します。
番外編!外出先でもコンビニ複合機で簡単印刷!
外出先で印刷が必要になったときはどうすればいいのでしょうか。
インターネット環境がない場所であっても、コンビニの複合機を利用すれば、簡単に印刷ができます。
コンビニでの印刷方法を3つ紹介します。
- USBメモリやSDカードなどの記録媒体
- ネットワークプリント
- スマホアプリ
それぞれ詳しくみていきましょう。
『USBメモリやSDカードなどの記録媒体』
USBメモリとは、小型で持ち運び可能なデータストレージデバイスです。
USBポートを通じてパソコンや複合機と接続できます。
一方、SDカードはデジタルカメラやスマートフォンなどのデバイスでよく使用されるフラッシュメモリカードです。
これらの記録媒体では大量のデータを保存することができ、それを簡単に持ち運ぶことができます。
以下ではこれら記録媒体の使い方や特徴を紹介します。
- 印刷手順
- メリット
- デメリット
詳しくみていきましょう。
USBメモリやSDカードを使用した印刷手順
印刷手順をまとめました。
- データの保存:印刷したいデータをUSBメモリやSDカードに保存する
- 記録媒体の接続:USBメモリやSDカードをコンビニ複合機のスロットに差し込む
- 印刷設定の選択:複合機の画面で、印刷したいデータの選択と印刷設定を行う
- 印刷の開始:最後に「印刷」ボタンを押すことで印刷開始
USBメモリやSDカードを使用するメリット
USBメモリやSDカードは、小型で軽量な点が1番の魅力です。
必要なデータを入れておけば手軽に持ち運ぶことが可能です。
最近では大容量化も進んでいるので、大きなデータや大量のデータを1度に持ち運べます。
また、多くのパソコンや複合機との互換性があるので、さまざまな環境で印刷ができます。
USBメモリやSDカードのデメリット
小型で軽量なUSBメモリやSDカードは持ち運びが便利な反面、紛失や盗難のリスクに注意しなくてはなりません。
他人に見られる可能性があるため、機密性の高いデータは適切なセキュリティを講じる必要があります。
また、物理的な損壊による故障の場合、データの復旧は難しいでしょう。
静電気や落下などのダメージに注意して取り扱うとともに、バックアップの備えは必須です。
『ネットワークプリント』
大手コンビニチェーンでは、ネットワークプリントというサービスを利用して印刷ができます。
これは、自宅などのネット回線がある場所で事前に印刷したいデータを登録しておいて、あとからコンビニで印刷するというものです。
- 印刷手順
- メリット
- デメリット
詳しくみていきましょう。
ネットワークプリントを利用した印刷手順
こちらの手順もまとめます。
- パソコンやスマホからネットワークプリントのサイトに文書や写真を登録する
- 登録を終えたら、ユーザー番号を取得する
- コンビニの複合機でユーザー番号を入力し、印刷設定を行う
- 必要な設定が終われば、印刷ボタンを押す
事前のサイト登録ではインターネット接続が必要ですので、注意してください。
ネットワークプリントのメリット
ネットワークプリントは会員登録不要で誰でも利用することができます。
もちろん会員登録すれば、より質の高いサービスを受けることが可能です。
大手コンビニチェーンで利用できるので、出張先などでも安心して利用できます。
また、自宅にプリンターがない場合や、急なインク切れでもコンビニさえあれば利用できるので安心です。
ネットワークプリントのデメリット
ネットワークプリントは、会員登録をしていない場合はデータの保存期間が短く、印刷可能なファイル形式にも制限があります。
また、対応していないコンビニもあるので注意が必要です。
対策として、類似のサービスでネットプリントというものがあり、こちらは別の大手コンビニチェーンで利用できるサービスです。必要に応じて使い分けてください。
『スマホアプリ』
スマホアプリを使用した印刷は、ネットプリントのスマホ版と思っていただければ大丈夫です。
例えば、Googleドキュメントなどのスマホからでも確認できるようなデータの印刷や、スマホで撮影した写真などを手軽に印刷できます。
アプリによって対応しているコンビニが違うなどの制限もありますので、注意してください。
さいごに|使用環境に応じた接続を試してみよう!
USB接続の特徴やメリットがお分かり頂けたと思います。
初回に専用ソフトをインストールすれば、あとはケーブルを用意するだけで接続できるようになります。
ネット設定など複雑な作業がないため、比較的簡単に接続できることが特徴です。
また、ネット環境が整っていない場合でも接続が不自由なくできることが最大のメリットでもあります。
出張先での作業やネット環境が悪い場所でおすすめの接続方法です。 一番はじめに設置する専用ソフトはアップデートが定期的に行われることがあります。
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