業務用複合機と家庭用の違いは?選び方などについて徹底解説!
オフィス仕事での必需品ともいえる複合機。買い替えや起業の際に、業務用複合機と家庭用複合機では、下記のような悩みを抱える方もいるのではないでしょうか。
「具体的にどういった違いがあるのか?」
「コスト面ではどちらが優れているのか?」
これらは分かりづらく、どちらを選べばいいか判断に迷いますよね。
本記事では、業務用複合機と家庭用複合機の違いをわかりやすく、またどのように選べばよいかを徹底解説していきます。
具体的な事例などもご説明していきますので、ご検討の一助となれれば幸いです。
ぜひ最後までご覧いただき、お使いの環境にあった複合機選びにお役立てください。
目次
業務用複合機とは?家庭用との違いを9つのポイントで解説!
業務用と家庭用の複合機を比較・検討する際に、「何が違うのか」「どちらが得なのか」ということは気になるでしょう。
例えば、業務用複合機は大きくて場所をとる、などといった印象をお持ちではないでしょうか。
安直に家庭用複合機でも大丈夫と判断されてしまってはもったいないです。
実は最近では比較的小さめなサイズで価格も手ごろな業務用複合機もでてきており、狭い環境のオフィスでも業務用を導入される方が増えてきています。
それでは今回、業務用複合機は家庭用と何が違うのか、9つの項目でわかりやすく表にしてみました。
まずは下表をご覧ください。
業務用複合機 | 家庭用複合機 | |
印刷スピード | とても速い | 業務用と比較して遅い |
耐久性 | 高い | 低い |
インクやトナーの種類 | 色の変化もほとんどなく、かなりの枚数を印刷できる | 色の確認にテスト印刷をする必要があり、インク切れが早い |
用紙サイズ | A3や長尺も可能 | A4サイズまで |
印刷方法 | レーザープリント | インクジェットプリント |
メンテナンス | プロ対応あり | 自身で行う |
機能性 | あり | なし |
保障 | あり(保守契約) | あり(数年) |
コストパフォーマンス | カラー印刷1枚あたり20円 | カラー印刷1枚あたり60~80円 |
それでは、各項目を詳しくみていきましょう。
『印刷スピード』
印刷するスピードは、業務用複合機の方が素早く印刷することができます。
本来大量に印刷することを目的に作られているので、少ない待機時間で素早く大量に印刷することができるのです。
家庭用複合機はそもそもの印刷方法に違いがあり、インクが乾燥するまでに時間がかかります。性能の良いものになると自動で印刷待ちを行ってくれるため、印刷スピードはさらに時間がかかってしまいます。
『耐久性』
オフィス仕事といえど、頻繁に扱うものはいつか壊れてしまうものです。
家庭用は耐久性に欠け、場合によってはごく数年で買い替えを行う必要があります。
一方、業務用複合機は耐久性が高いことに加え、業者によるメンテナンスが定期的に実施されます。
耐久性では業務用のほうが安心して長期利用できるといえるでしょう。
『インクやトナーの種類』
インクやトナーは消耗品ですので、比較検討するうえでは重要な要素です。
インクの価格は、業務用はトナーカートリッジで1~2万円ほど、家庭用では小さめのインクカートリッジで4,000~5,000円ほどが相場になります。
価格だけでみれば家庭用のほうが優れているようにみえますが、実際に印刷してみると、家庭用複合機はインクの持ちが悪く、頻繁にインク交換をする必要があります。
対して、業務用複合機はとてもインク持ちがよく、かなりの枚数を印刷することができます。
また、業務用複合機のトナーをどのように廃棄処理すればよいかが心配になるかと思いますが、空になったトナーはトナーの配送時やメンテナンス時に無償で回収してもらえるので安心です。
『対応している印刷用紙のサイズ』
家庭用複合機ではA4サイズまでの印刷をすることができます。
対して、業務用複合機ではA3サイズやさらに大きな長尺印刷をすることも可能となっています。
会議などで大きく見せたい場合や図面など、さまざまなニーズに応えることができます。
また、給紙することのできる枚数にも差があります。家庭用複合機は多くても100枚ほどなのに対して、業務用複合機は1度に1,000枚ほど給紙することができます。業務用複合機は給紙トレーに入る用紙の枚数が多いため、補給回数も少なくて済むでしょう。
また、数千枚ほど給紙できるオプションのトレーを選べる機種もあるので、重い用紙を何度も補給しなくて済みます。
『印刷方法(インクジェット方式/レーザー方式)』
家庭用複合機はインクジェット方式、業務用複合機はレーザー方式が主に用いられています。
インクジェット方式とはインクを用紙に吹き付けて印刷する方法で、写真などの印刷に向いています。しかし、テスト印刷を行わないと、色が変わって見えてしまうことがありますので、注意しなければなりません。
レーザー方式はレーザーによりトナーを用紙に定着させる方法で、用紙の種類を選ばず印刷することができます。
インクジェット方式と違い、色の変化は起こりにくいため、効率よく業務をこなすことができます。
『メンテナンス(キット式/カウンター式)』
この項目は業務用複合機のものになります。家庭用複合機のメンテナンスは自身で行わなければなりません。
業務用複合機はメンテナンス会社との契約方法によりメンテナンスのされ方が変わってきます。そして、契約方法はキット式(キットトナー保守契約)とカウンター式(カウンター保守契約)があります。
キット式は、メンテナンス会社から保守契約付のキットトナーを購入する形になります。そのトナーを使用している間はメンテナンスを受けることができるというものです。トナーが切れそうになったら、再度トナーを購入することで保守契約を更新できるでしょう。
一方でカウンター式は、複合機にカウンター装置が取付され、毎月どの程度印刷しているか自動で把握されます。一定枚数の印刷がされるとメンテナンスや部品交換に来てもらえます。また、トナーの残量が少なくなると自動的に交換用のトナーが配送されますので、手間も少なく、安心して使用することができるのが特徴です。
『機能性』
業務用複合機には家庭用複合機とは違い、さまざまな機能が搭載されています。
- スマホやタブレットから直接クラウドサービスに接続できる
- 資料をデータ化して保存することができ、グループでの共有もできる
- 取り込んだ資料を自動で整理する機能があり、冊子やカタログなどの製本が簡単にできる
- 透かしや合成といった、ある程度の編集であれば、パソコンを使わずとも行うことができる
- 顔認証やIDで利用を制限することができる
上記のものは一例ですので、各メーカーの出している複合機を見比べてみて、使い勝手のよいものを選んでいくことが大切です。
『保障』
家庭用複合機は、家電量販店の保証とメーカー保証があり、両方合わせても長くて5年です。一般的な扱いであれば十分な保証期間といえるでしょう。
業務用複合機では家庭用にあったメーカー保証とは異なり、メンテナンス会社との保守契約があります。
定期的なメンテナンスから故障の際の緊急メンテナンスまでプロに対応してもらえるため、安心して利用できます。
業務用複合機には各社ごとに保守契約がいくつかあるので、利用状況に合った内容で比較検討して選ぶことをおすすめします。
『コストパフォーマンス』
複合機を比較するうえで特に重要なのはコストです。
大量に印刷をするオフィス現場では、用紙1枚あたりのコストは気になるでしょう。
機種にもよりますが、カラー印刷は家庭用複合機で1枚あたり60~80円ほど、業務用複合機では1枚当たり20円といわれています。
家庭用複合機と比べて3分の1以下での印刷が可能となっていますので、印刷枚数の多い現場でこそ業務用複合機が活躍していきます。
複合機における業務用と家庭用との違いからおすすめはどっち?2つの事例で紹介!
お使いの環境では業務用と家庭用、どちらを選ぶべきかわからない場合もあるかと思います。
ここでは実際の導入事例を2つまとめていますので、ご自身はどちらの環境に近いか、ぜひ見比べてみてください。
『業務用複合機の導入事例』
ある健康食品会社Aは、FAX送信されてくる注文書の管理を効率化することを課題として抱えていました。
しかし、複合機と電子化アプリケーションを活用し、文書を直接クラウドストレージに保管する仕組みを低コストで実現しました。
結果的に、印刷枚数を削減することにも繋がった事例です。
『家庭用複合機の導入事例』
保険代理店を営む個人事業主Bは、家庭用ファクシミリが壊れたことをきっかけに家庭用複合機を導入しました。
取り扱う書類の量も自宅内の書斎で扱える程の件数だったこともあり、場所を圧迫しない手頃なサイズが決め手でした。
導入後は、今までコンビニなどで行っていた書類のコピーも自宅でできるようになり、作業効率は格段に上がったという事例です。
複合機の業務用と家庭用の選び方は?ミスしない5つのポイントで解説!
ここまで複合機の業務用と家庭用の違いを説明してきましたが、実際に選ぶ際に気を付けていただきたい点を5つご紹介していきます。
- 用途と目的
- 初期費用とランニングコスト
- インターネット環境
- 印刷以外の機能性とスペック
- 対応している印刷用紙のサイズ
これらを踏まえ、複合機導入の参考にされてください。
『用途と目的』
業務用・家庭用どちらにもいえることですが、複合機はコピーやFAX、スキャナーといった従来は別々の機器で行っていた作業を1台で補えるものです。
また、1台で複数の作業が済むので結果的に設置面積を最小限におさえることができます。
都会などの賃貸料の高い地域や作業スペースが限られる環境では、特に気にするべきポイントともいえます。
『初期費用とランニングコスト』
初期費用としては、まず複合機本体を購入する費用がかかります。
リース契約や、レンタル契約なども選べますので、長期で見て検討するとよいでしょう。
別途で設置費用もかかりますが、これは購入費に含まれている場合もあります。
印刷の初期設定やネットワークの構築費、FAX設定なども必要となり、設定の内容によって費用は変わりますので、先に必ず見積もりを出してもらうことをおすすめします。
インクや保守契約の項目などでも触れましたが、そもそもの消耗品の費用や保守契約を結ぶ場合はそちらの契約料も必要となります。
総じて業務用複合機のほうが初期費用はかかる傾向にありますが、どちらを選ぶかは作業効率とのバランスで判断するとよいでしょう。
お使いの環境に合わせて判断してください。
『インターネット環境』
インターネット環境がないと複合機が使えないということはありません。
もちろんインターネットに繋がっているほうがより便利に扱えるでしょうが、ルーターを用いて社内ネットワークに繋げば便利に扱うことができます。
個人での利用が主になる場合は複合機とパソコンを直接有線で繋いでしまっても問題ありません。
作業場所は限られてしまいますが、特に不便でなければこのような形で作業していくこともできます。
『印刷以外の機能性とスペック』
印刷速度や色の安定性など、全体的なスペックは業務用複合機のほうが高いことは、ここまで読んでいただいてご理解いただけているかと思います。
機能面でも家庭用にはないさまざまな機能がついており、使いこなすことで作業効率は格段に上がるでしょう。
簡易的な作業しか必要でない場合や印刷枚数が少ない場合には家庭用の検討をしてもよいですが、今は小型の業務用複合機も出てきていますので、そちらも合わせて検討してみてください。
『対応している印刷用紙のサイズ』
家庭用複合機はA4サイズまで、業務用複合機はA3やポスターなどの長尺にも対応しています。
これらも、お使いの環境に合わせて判断してください。
家庭用複合機では一般的なコピー用紙をお使いいただけますが、業務用複合機は扱える用紙の種類が多いのも特徴で、これは印刷方法の違いによるものです。
用途が限られている場合には家庭用でも対応できますが、さまざまな可能性のある現場ではやはり業務用複合機のほうが扱いやすさがあります。
さいごに|業務用複合機と家庭用複合機の違いを理解して導入しよう!
今回は、業務用複合機と家庭用複合機の違いを具体的にわかりやすくまとめてきました。
業務用複合機は家庭用と比べると大きく場所をとります。
しかし、印刷速度や発色具合、長い目で見た時のコストパフォーマンスは家庭用とは比べ物になりません。
その他にも家庭用にはないさまざまな機能があり、使いこなすことで業務の効率化を図っていけます。
家庭用複合機は、業務用と比較してもさまざまな点で業務用に劣るかもしれませんが、何といっても初期費用の安さと単純な機能ゆえの扱いやすさが魅力です。
個人から数人程度の利用であれば、総合的なコストも家庭用複合機のほうが安く抑えられる場合があります。
業務用複合機と家庭用複合機の違いや選び方についてご理解いただけたでしょうか。
今後の複合機選びでこの記事が参考になれば幸いです。
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