複合機の残存データとは?情報漏洩を防ぐことが重要!
複合機の残存データには細心の注意を払わなければなりません。
本記事では、複合機における残存データの取り扱い方法などを解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
各複合機メーカーにおける残存データ取り扱いと対策について解説!
残存データとは、ハードディスクなどのメディアに残存しているデータのこと。残存は、特定のものがなくならないで残っていることを意味します。
複合機には、コピーやプリントしたデータを残存データとして記録しておく機能が備わっている機種があります。
残存データを記録保存する機能が備わっている機種は、複合機内のメモリーに一定期間、コピーやプリントしたデータやスキャナー機能で取り込んだデータが残っています。
そのため、コピーやプリントした部数が足りなかったときに再度、原稿からではなく残存データからコピー・プリントを行うことが可能です。
大変便利な機能ですが、複合機に重要なデータがあることから、しっかりとしたセキュリティ対策をしていなければ悪意のある第3者からの攻撃で顧客の個人情報や会社の重要データが流出してしまう危険性があります。
また、残存データは一定期間で自動的に削除されるようになってはいますが、データによっては一部が残ったままになっており、悪意のある第3者がそれを狙ってくる可能性もあるのです。
そのため、各複合機メーカーでは、残存データに関しての対策を行っています。
シャープ、キャノン、富士フイルムビジネスイノベーションが行っている残存データに関しての対策を紹介します。
『シャープ』
シャープでは、自動削除後も複合機に残ってしまう残存データについて、データセキュリティキットでデータを乱数値にすることより上書する仕組みで対策を行っています。
つまり完全には消去できない部分は、分からないように書き換えて復元できないようにしているのです。
このデータセキュリティキットも自動的に機能するため、ユーザーが特別な操作を行う必要はありません。
『キャノン』
キヤノンの複合機には、複合機のハードディスクに不要な残存データを残さないようにする機能が備わっています。
このハードディスク完全消去機能を使用するには、ユーザーが操作しなければなりませんが、使用することで自動削除では残ったままになってしまう残存データも完全に消し去ることが可能となります。
また、キャノンの複合機には、ハードディスク暗号化チップが標準搭載されている機種もあります。
チップ搭載の機種は、自動的にハードディスクそのものを暗号化してくれます。
暗号化されたハードディスクは、パスワードや指紋など、何らかの認証をしなければ内部のデータを閲覧・編集することはできません。
『富士フイルムビジネスイノベーション』
富士フイルムビジネスイノベーションのハードディスクの複合機は、ディスクデータスウィーパーを使用して、残存データを完全に消し去ることができるようになっています。
データスウィーパーは、ディスクの空き領域に別のデータを上書きすることで、もとのデータを消去し復元できないようにするソフトウェアです。
世界標準8規格を含む全13消去規格に完全準拠して、最大99回の書き込み消去が可能です。
複合機の残存データにおける安全性とは?情報漏洩するケースを紹介!
自動削除機能でも残ってしまう残存データも完全に消し去れる機種もありますが、そのような複合機を使っていても、情報が漏洩してしまうことがあります。
ここでは、複合機で残存データが漏洩するよくあるケースと、その対策について解説しています。
『人為的ミス』
日本ネットワークセキュリティ協会による調査結果では、「紛失・置き忘れ」「誤操作」「管理ミス」「盗難」といった人為的ミスが情報漏洩の60%以上を占めていました。
人為的なミスで、複合機の残存データが漏洩するのを防ぐことはできるのでしょうか。
複合機のなかには、個人認証が設定できる機種があります。
個人認証が設定できる機種は、個人認証設定を行ったユーザーだけしか使うことはできません。
つまり、第3者が使用できないように制限することができるのです。
この個人認証を使うことで、複合機の残存データの「誤操作」「管理ミス」「盗難」といった人為的ミスによる漏洩が防げます。
『スキャンデータの再利用』
スキャンデータを複合機に残しておけば、毎回、原稿を読み込んだりパソコンからデータを出力しなくても済みます。
スキャンデータの再利用は大変便利な機能ではありますが、残存データが漏洩する危険性が常にあるということです。
実際、再利用のために複合機内に残しておいたデータが狙われ、漏洩したというケースはあります。
そのため、情報漏洩を防ぐのであれば、スキャンデータの再利用はできるだけ避けた方がよいでしょう。
しかし毎回、原稿を読み取らせると、今度は「紛失・置き忘れ」による漏洩のリスクが高くなってしまいます。
「紛失・置き忘れ」による漏洩は、複合機の個人認証設定でも防ぐのが難しいです。
結局のところ、防ぐには複合機を使うユーザーが気をつけるしかありません。
さいごに|複合機の残存データには要注意!
今回は、複合機における残存データの取り扱い方法や各メーカーの情報漏洩対策について解説してきました。
オフィス内で個人情報を取り扱うこともあることから、漏洩には十分な配慮が必要です。
この機会にぜひ、セキュリティ対策に講じてみてはいかがでしょうか。
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