複合機の進化!生産台数と市場動向から見る未来のオフィス環境とは?
デジタル化が進む現代において、オフィス環境は大きな変革を遂げています。
本記事では、複合機の生産台数とこれまでの市場動向を通じて、複合機の未来を探ります。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
複合機の生産台数で明らかに!?複合機市場の動向を知る!
新たに導入を考えている人がいる一方で、もう時代遅れとの意見もある複合機。確かに全盛期よりも市場規模は縮小していますが、生産台数はどうなっているのでしょうか。
ここでは、複合機の生産台数の動向から、複合機市場のこれまでの動向と現状を考察しています。
『これまでの市場動向』
複合機の市場は直近10年で約4割も縮小しています。
2013年から2019年までは、市場が縮小しているといっても僅かなものでしたが、2020年に急激に下落してしまっています。
市場が急落した理由は、ペーパーレス化がさまざまなところで進んだということもありますが、最も大きな原因となったのが新型コロナです。
新型コロナの蔓延により、感染予防のために会社に出社できずリモートワークが増えたことで、会社での複合機の使用が減ったことも市場縮小の一因にはなってはいますが、コロナで複合機の生産台数が激減した影響はかなり大きいでしょう。
新型コロナは、さまざまな社会活動に影響を与えました。
なかでも、かなり大きな影響を受けたのが製造業です。
製造業はリモートで行えない業務が多いため、コロナ禍の間、多くの工場がストップすることになってしまいました。
工場がストップしたら、複合機そのものもですし、複合機を作るのに必要となる部品も作れません。
そのため、生産台数も低下してしまいました。
JBMIAの調べによると、コロナ蔓延が始まった2020年の複写機・複合機の年間累計出荷・生産台数は、国内では前年比92.7%と僅かでしたが、海外では77.6%と大幅に低下してしまっています。
さらに2021年から2022年の間は、工場ストップによって、複合機だけでなくさまざまな電化機器に必要となる半導体が不足し揃わないという状態が長期で続いたことで、国内の累計出荷・生産台数は2021年は前年比で91.1%となっていました。
この生産数の低下も、市場の急落に大きな影響を与えたのは間違いないでしょう。
『複合機生産台数の現状』
コロナの影響が複合機の生産台数に影響を与えたのは、国内では2022年まで、海外は2021年中旬までです。
現在、コロナは社会活動に与える影響は極わずかになりました。
コロナの影響を受けていた間は、生産台数が減っていたことで導入したくても導入するのに時間を要していましたが、現在は半導体不足は解消され、通常通りの納期での導入可能となっています。
そのため、2022年の年間累計出荷・生産台数は、国内で前年比110.8%、海外は113.2%と増加し、市場も少し回復傾向にありました。
しかし、2023年1月〜3月の第1四半期の累計出荷・生産台数は、海外は110.2%でしたが国内は99.0%。4月〜6月(第2四半期)も海外は増えていましたが、国内は92.3%で、国内の生産台数はまた減少傾向にあります。
複合機の生産台数から読み解く!複合機の未来を考察!
複合機の生産台数は一時期回復の兆しを見せていました。
海外は、その後も生産台数の回復が続いているようですが、国内はまた減少してきています。
生産台数と市場規模は密接に関係していますから、再び減少してきている国内では複合機の未来は明るくないのでしょうか。
ペーパーレス化によって複合機のオフィス需要は減退してきていて、生産台数が減ったのもその影響があると考えられます。
ただ、未来はまったく明るくないというわけではないようです。
オフィス需要は減退してきたことで生産台数も減ってはいますが、コロナの影響を受けた時のように大幅には減っていません。
ここでは、大幅には減ってきていない複合機の生産台数から、複合機の未来を考察してみました。
『デジタル化の推進』
ペーパーレス化が複合機のオフィス需要を減退させていますが、そのペーパーレス化によってデジタル化が推進したことで、複合機がオフィスで果たす役割が変化してきています。
デジタル化が進む現在、企業が競争力を強化していくためには、DX推進が必要だといわれています。
DXは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略で、デジタルテクノロジーを使用し、ビジネスプロセス・文化・顧客体験を新たに創造(あるいは既存のそれを改良)して、変わり続けるビジネスや市場の要求を満たすプロセスのこと。
電子化の起点になれる他、情報セキュリティーなどのシステムとワンストップで繋がることができるなど、複合機にはDXに役立つ機能がいくつも備わっています。
複合機はDXに役立つ機器であり、DXを効果的に進める力となる機器です。
デジタル化によってDXを推進していくオフィスでは、今後も複合機の需要はあると考えてよいでしょう。
『変化する教育現場』
DX化が進められているのはオフィスだけではありません。
教育現場でも、アナログ業務の抜本的な見直しによる校務のDX化が推進されています。
校務DXの推進は、ある学校ででのみというわけでは全学校でのことで、例えば政府は2023年12月20日に行った第3回デジタル行財政改革会議で教育現場においてFAXのやり取りや押印を原則廃止する方針を明らかにしています。
そして、政府が明らかにした方針によると、2025年度中には全学校でFAXでのやり取り・押印を原則廃止し、さらに教育委員会から学校への文書送付のデジタル化も強力に推進するとのこと。
前述したように複合機はDXを効果的に進める力となる機器です。
今後DXが推進される教育現場で、今後複合機の需要が出てくる可能性は高いと考えてよいでしょう。
さいごに|複合機の生産台数から見えてきた役割の変化!
今回は、複合機の生産台数と市場動向を通じて、複合機の未来を探りました。
デジタル化の推進と教育現場の変化から、複合機の役割が変化していくことが読み取れます。
これから先の時代では、複合機導入にあたって、オフィスでの複合機が果たす役割を見直す必要もあるかもしれません。
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