レーザー複合機で裏紙印刷は可能?デメリットはある?
結論から書きますが、複合機で裏紙印刷は可能。しかし、いくつかの注意点があります。
本記事では、複合機の裏紙印刷について解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
複合機で裏紙の印刷は可能!その理由を解説!
よくお客様から「複合機で裏紙使うと詰まるって聞くんだけどそうなの?」という質問があります。
基本的にレーザーでトナーを定着させているので、裏紙を使ったとしてもローラーや感光体を傷つけることはありません。
数年間使用していれば、不具合がでてきたりしますが、それは裏紙を使用したことではなく経年劣化によって発生したものなので、気にする必要はないでしょう。
まずは、複合機の裏紙印刷の仕組みについてみていきましょう。
『裏紙印刷の特徴と仕組み』
裏紙印刷が可能な複合機には、自動両面印刷機能が搭載されています。
そもそもオフィスに設置している業務用複合機の多くは、この機能が主軸として搭載されており、用紙を裏返す手間が省けて作業の効率化だけでなく用紙の節約にも繋がります。
裏紙印刷においては仕組み上、インクが透けてしまったり印字がずれたりすることもあるため注意が必要。そうならないように、事前に印刷順序や用紙の向きなどを調整することもあります。
しかし、業務用複合機の多くは、自動的にこれらの調整を行う機能が搭載されているため、扱いなれていない方でも簡単に裏紙印刷をすることができます。
『複合機の裏紙印刷が可能な理由』
冒頭でも複合機の裏紙印刷が可能なことに触れていますが、その具体的な理由について解説していきます。
そもそも下記のように、複合機の裏側印刷が可能な条件が存在します。
- レーザー方式の複合機に搭載されている両面印刷機能
- 用紙のしわや汚れがない
- インクジェットを介さない
複合機の裏紙印刷が可能な理由は、両面印刷という機能が搭載されていることが挙げれますが、これはそもそもレーザー方式でのみ推奨されています。
また印刷用紙にしわがあれば、紙詰まりを引き起こしたり複合機自体の故障に繋がったりするため、裏紙印刷する以前の問題ともいえます。
インクジェットを介した裏紙印刷は、これらとは異なり、用紙に吹き付けられたインクが複合機故障の原因となり得るため注意しなければなりません。
詳細については、「複合機における裏紙印刷のデメリットは?取り扱い上の注意点も解説!」の見出しにて後述しています。
複合機の用紙トレーにある「マーク」とは?表裏と上下(天地)の見方を覚えて裏紙印刷しよう!
レーザー複合機で裏紙印刷しようとした際、見た目で分かるほど品質に影響するほどでもありません。
そもそも、裏紙印刷する背景として、複合機の用紙トレーに記載してある「マーク」の意味を理解していないことも考えられます。
例えば、下図のようなマークです。
会社に勤めてはいても、久しぶりに複合機を使う方もなかにはいるのではないでしょうか。
そのように頻繁に使わない場合、印刷時に「用紙の向きってどっちだっけ?」と迷ってしまうこともあります。
表裏や上下を間違えてしまうこともしばしばあり、そんなときこそ、用紙トレーに書いてあるマークを見れば、すぐに解決できます。
まずは、複合機の用紙トレーにあるマークがどのような意味を示すのか解説していきます。
『用紙トレーにあるマークの意味』
複合機の用紙トレーには、用紙を正しくセットするためのさまざまなマークが描かれています。
用紙の表裏や上下(天地)を確認するために記載されたマークであり、印刷時において用途の使い分けに役立ちます。
何より、業務中に用紙の表裏を間違え、改めて裏紙印刷するような機会も少なくなってくるでしょう。
他、印刷時に用紙の向きを誤ってセットすると、印刷物が裏返ったり印刷面が間違った位置に印刷されたりすることもあるため注意しなければなりません。
用紙トレーのマークを理解して正しい向きにセットすることは必至。こうしたミスを防ぐことができて、はじめて印刷作業がスムーズに進むようになります。
『マークの見方』
複合機の用紙トレーには、印刷面の表と裏を確認できるマークがあります。
代表的なのが「横線」のマークで、横線が描かれている面が印刷面を示します。
例えば、表面に横線があれば印刷したい面を上に向けてセットします。
一方で、ウラ面に横線があれば印刷面を下に向けてセットします。
マークを見れば、表裏を間違えることなく確実に用紙をセットできるので、印刷の仕上がりに不安がなくなります。
『上下(天地)の確認方法』
複合機において、折られた角と矢印のマークで上下(天地)を確認します。
用紙の上下(天地)を確認する方法は、複合機メーカーによって異なるマークが使われるため、すべてを覚えて理解することは難しいかもしれません。
例えば、キャノンのプリンタでは右上の角が折られたマークがあり、この折れた角が「天」を示します。
ちなみに、エプソンのプリンタでは右上に矢印が描かれており、この矢印が「天」を示しています。
マークに従って、用紙の上部を正しくトレーにセットすれば、印刷時に上下を間違えることがなくスムーズに作業が進みます。
しかし、複合機メーカーによってマークの形が違う場合もあるため、おおよその目安で形を覚えるか取扱説明書に記載の内容を熟読するなどして確認してみてください。
複合機における裏紙印刷のデメリットは?取り扱い上の注意点も解説!
複合機において、裏紙印刷は可能だとしてもインクジェット取り扱い後の用紙には注意が必要です。
それでは、詳しくみていきましょう。
『インクジェット機で印刷した裏紙だけは気を付ける』
上記で書いたものはあくまでもレーザー複合機で印刷したものをレーザー複合機で裏紙を使うケースです。
しかし、下記の様な場合はNGとなります
- インクジェット機 → インクジェット機
- インクジェット機 → レーザー複合機
これはレーザー方式の仕組みの話になりますが、レーザー方式は熱と圧迫によってトナーを定着させていますので、ムラのない綺麗な印刷物になるのです。
ただ、インクジェット方式は水性インクを使用して吹き付けているだけなので、レーザーの熱を当てると溶けてドラムを傷つけてしまう可能性があるのです。
インクジェット方式とレーザー方式の仕組みの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
『裏紙印刷のメリットとデメリット』
複合機ではレーザー方式でのみ裏紙印刷が可能だということは、ご理解いただけたことでしょう。
また、インクジェットの仕組み上、裏紙に印刷することで故障の原因となり得ることについてもお分かりいただけたかと思います。
裏紙印刷にはそれぞれにメリットとデメリットが挙げられますが、その概要について、下表にまとめました。
メリット | デメリット |
・環境にやさしい ・コストの節約 ・操作性が良好 |
・用紙の厚さに要注意 ・用紙の向きに要注意 |
裏紙に印刷することで用紙を節約することに繋がることから、環境にやさしいといえます。
また、用紙を節約できれば、用紙代のコスト削減が期待できます。そもそも複合機自体に両面印刷機能が搭載されているため、裏紙印刷が簡単にでき使い勝手がよくなります。
しかし裏紙として使用する用紙は、薄いものを選ぶことが重要。厚すぎる用紙を使用すると、用紙の詰まりや印刷不良などのトラブルが発生することがあります。
さらに手作業で行う場合は、用紙を正しい向きでセットすることにも注意しましょう。
向きを誤ると、印字がずれたり、インクが透けてしまったりすることがあります。
もし裏紙印刷して壊れた場合の複合機修理は無料?
このブログを読んでいるという事は、心配性な方か裏紙を印刷してトラブルが出ている方が多いと思います。
基本的に業務用の複合機では経年劣化や自然劣化の場合に無料でメンテナンス保守が出来るという内容になっています。
- 例えば、ボール遊びをしていて操作モニターにぶつけて割ってしまった。
- 勝手に移設しようとして倒して壊してしまった。
- 等は有償対応になってしまいます。
その為、裏紙を使用した事による保証の有無が気になる方もいらっしゃいますが、数回程度の故障であったら無料です。
メーカーのメンテナンスマンもこの手のトラブルは日常茶飯事なので、わざわざ有償にすることはありません。
何回も同じトラブルを起こしている場合に、事前に注意喚起を行いそれでも同じことをして壊してしまった場合のみ有償となる可能性はあります。
しかし、現代の業務用複合機は進化するところが無いくらいに完成されていますので、インクジェットの印刷物を裏紙で使用したも壊れる可能性は0に近いです。
複合機はストックビジネスでもありショットビジネスでもあるメーカーのドル箱なので、次回も同じメーカーで使ってほしいので、いきなり有償で請求するということは考えにくいですね。
自社メンテナンスを行っているところはわかりませんが。
レーザー複合機で裏紙印刷する設定とは?実際の手順まで解説!
複合機には、印刷済みの用紙を再利用して裏面に印刷できる「裏紙印刷」機能が備わっている機種もあります。
業務中の印刷ミス時、もしくは両面印刷で裏側が何らかの理由で印刷できなかった場合の対処法としておすすめです。
通常は新しい用紙を使用しますが、裏紙印刷を設定することで、すでに印刷された用紙の裏面に新たな印刷ができます。
しかし、この設定を有効にするには、複合機の設定にてオプションを選ばなければ使用できません。
裏紙を使った印刷は、SDGsにもとづく環境負荷軽減にも繋がっており、実際に取り組む企業もあるとよく耳にします。
ところで、裏紙印刷は便利ですが、下記のようにいくつか注意点があります。
- 使用する用紙は1度印刷したことがあるため品質低下を招く
- 前回印刷した内容がインクでにじんでいる
- 用紙の厚みが違う場合もある
そのため、用紙の状態を確認してから裏紙印刷を行わなければなりません。
また、裏面に印刷する際は、前の印刷内容が影響を与える可能性があるため、適切な用紙管理も重要。さらには、設定も必要な場合があります。
まずは、表裏印刷における設定について、詳しくみていきましょう。
『裏紙印刷の設定』
レーザー複合機には、裏紙印刷を設定しなければならない機種もあります。
例えば、キャノンの複合機では「印刷済み用紙の裏面に印刷する」の設定を行ってから裏紙印刷する方が、品質を維持しやすいです。
『設定を済ませて裏紙印刷を行う手順』
ここでは、キャノンのレーザー複合機(LBP5300)の裏紙印刷機能を設定するための手順についてまとめました。
下記にまとめた手順を実行することで、簡単に裏面に印刷できるようになります。
- ドキュメントプロパティを開く
- 給紙設定を確認
- 裏紙印刷のオプションを選択
- 設定を確定する
まず、印刷設定を変更するために、アプリケーションソフトから「ドキュメントプロパティ」ダイアログボックスを表示して印刷に関する詳細設定を行います。
次に、ダイアログボックス内の「給紙」タブを選択。プリンタがどのように用紙を給紙するかの設定を変更できます。
「印刷済み用紙の裏面に印刷する」というオプションにチェックを入れたら、設定上は裏紙印刷が可能です。
設定内容を確認し、問題がなければ「OK」をクリックして設定を保存してください。
複合機の裏紙再利用に関連するQ&A
ここでは、複合機の裏紙を再利用する目的で印刷に使用する際に関連したQ&Aを紹介します。
『Q1)複合機の裏紙印刷は寿命が縮まる原因になりますか?』
複合機での裏紙印刷は、用紙を再利用することでコスト削減や環境負荷の軽減に繋がりますが、寿命を縮める原因にはなりません。
裏紙には、表面と同様に印刷に使用されたトナーやインクが付着していますが、これらは再利用によって品質に悪影響を与えることはありません。
ただし、これはレーザー方式に限ります。また、用紙が汚れたり折れ曲がったりしている場合には、正確な印刷ができない可能性があるため注意が必要です。
『Q2)そもそも用紙の裏側って何ですか?どのようにして見分けるのですか?』
一般的な用紙では、印刷面に比べて白色度が低く、また滑らかさや質感が異なることが裏紙の特徴です。
裏紙として再利用する場合には、印刷面と裏面を確認して裏面を印刷面として使用するようにしましょう。
さいごに|複合機で裏紙印刷は可能!
今回は、複合機で裏紙印刷が可能なのか?というテーマで解説してきました。
裏紙印刷は可能ですが、インクジェットを使用した後の用紙ではドラムの不具合に起因するためおすすめしません。
用紙の節約、もしくは環境配慮を目的に裏紙印刷を推奨しているオフィスもありますが、使い方によっては故障時期を早めてしまう可能性もあるため注意してお取り扱いください。
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