複合機のキャスターは地震対策になる?!あなたのオフィスを守る方法をご紹介!
オフィスではどの程度の地震対策が行われていますか。
本記事では、忘れてしまわれがちな複合機の地震対策について紹介します。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
複合機で便利なキャスター!危険な落とし穴とは!?
複合機は、事務機器のなかでも重量がある機器のひとつです。
複合機の重さはメーカーや機種によって異なりますが、平均すると75kg~85kg程度あり、重いものだと100㎏を超えている機種もあります。
設置した複合機を別のところに移動させるようなことは滅多にはありませんが、オフィスの移転や模様替えなどで、複合機を異動させなくてはいけなくなることもあるでしょう。
そうした理由での将来的な移動を考慮して、複合機の底部にキャスターを取り付けていたり、キャスター付き台に載せているというところも多いのではないでしょうか。
キャスターを活用すれば、下記のような用途で使えて便利です。
- 使用しないときは奥に収納しておいて、使いたいときだけ前に出して使える
- 簡単に移動できるためメンテナンスが楽
- 複合機周辺の掃除が楽にできる
しかし、便利なキャスターに危険な落とし穴がひとつあります。
その危険な落とし穴とは地震です。
日本は、地震大国として知られる国のひとつ。内閣府の発表によると、全世界のマグニチュード6.0以上の地震の18.5%が日本で起きており、2004年から2013年の間に世界で1,629回起こったマグニチュード6.0以上の地震の内の302回が日本で起こっています。
日本が地震大国となっている理由は、日本は「ユーラシアプレート」「北アメリカプレート」「太平洋プレート」「フィリピン海プレート」という4つのプレートの交差上に位置しているため。
プレートとは約100キロのいくつかの厚い岩盤の層で、プレートはゆっくり海側の海底に向かって引き込まれるように動いています。
しかし、ある程度まで引き込まれるとバネのようにもとに戻ろうとします。
このプレートがもとに戻ろうとした際に起きるのが地震で、日本は地震を引き起こすプレートのうえ、しかも4つのプレートの交差上に位置しているためよく起きるのです。
そんな地震大国の日本のオフィスでは、事務機器の地震対策は必須。地震対策をしておくことで、高額な事務機器の破損が防げるということもありますが、地震の際に複合機のような大型事務機器は凶器と化します。
機種によっては100㎏を超えていることもある重い複合機が、自分に向かって迫ってきたら大変危険。
複合機にキャスターをつけておけば移動しやすくなって便利ではありますが、地震など災害が起こった際に自由に動いてしまい、通常でも危険な複合機をより危険な凶器にしてしまうのです。
複合機キャスターの地震対策を3つのポイントで紹介!
地震の起きた際に、複合機をより危険な凶器にしてしまうキャスターですが、よく複合機を移動させることのあるオフィスはつけておいた方がよいでしょう。
きちんと対策をしておけば、凶器と化す可能性を下げられます。
複合機における地震対策は「複合機の地震対策できてますか?もしもに備えて万全の対策をしよう!」の記事でも解説していますのでぜひ、ご覧ください。
ここでは、キャスター付きの複合機での地震対策を下記の3つで紹介します。
- アジャスター
- ストッパー
- 固定バンド
詳しくみていきましょう。
『アジャスター』
機種によっては底面にアジャスターがついているものもあります。
複合機をキャスター付き台に載せている場合には使えない方法ですが、もしアジャスターが使えるのなら地震の際に動きにくくできます。
アジャスターは、家具や機器の脚や底部に取り付けて高さを調整する器具です。
本来は、傾いている床に設置した家具や機器の水平に保つ目的で使用する器具ですが、使うことで複合機が床としっかり密着して、地震の際に移動したり転倒したりするのをある程度防いでくれる効果を期待できます。
『ストッパー』
移動させない際にはキャスターストッパーをつけておくと、急に地震が発生しても、ストッパーが複合機の移動を抑止してくれます。
キャスターストッパーとは、キャスターが動かないようにとどめておく器具のこと。
車輪の下に設置するタイプや車輪の横や側面に取り付けるタイプなどいくつかの種類があり、素材もゴム製やスチール製、低密度ポリエチレン製、鉄製などいろいろあります。
複合機の重量や大きさ、キャスターの形状によって使えないタイプもあるので注意しましょう。
『固定バンド』
複合機を壁や床とバンドやワイヤーで固定しておけば、地震が起きても安全です。
キャスターを付けていない複合機での地震対策としてもおすすめの方法のひとつですが、壁や床に固定用器具を設置するためにねじ穴を開けなければなりません。
そのために工事が必要となることもあり、壁や床を傷つけることになります。
また、重量のある複合機を固定するため壁や床にある程度の強度も必要です。
キャスター付き複合機が安全に設置できる場所とは?
複合機を移動させるのに便利なキャスターですが、キャスター付きだと地震時に複合機が凶器となる可能性があります。
しかし、設置している場所によっては地震時の危険性を下げることができます。
日本は地震大国ではありますが、毎日毎日地震が発生するということはありません。
そのため、地震対策のことを考えて設置しているオフィスは少ないでしょう。
ほとんどのオフィスが利便性のよいところに設置しているのではないでしょうか。
しかし、万が一のことがありますから、利便性のよい場所より安全な場所に設置しておくことも地震対策です。
地震発生時に安全な場所は基本ありませんが、キャスターを付けた複合機でも凶器となりやすい設置場所を紹介します。
『デスクの近く』
利用頻度が多い場合、できるだけ利用頻度の多い部署のメンバーのデスクに近くに設置されていることが理想的ではあります。
しかし、設置場所がデスク近くだと、地震発生が起きたことに気付いて逃げる間もなく、複合機が近くのデスクに座っている人めがけて倒れてくる危険性があります。
そのため、あまり近くには設置しない方が望ましいです。
『避難経路としているところの近く』
避難経路は、火災や自然災害などの場合に安全に退避するための道筋。廊下や階段には、どこが避難経路かわかるように避難経路としているところには緑色の誘導灯と非常灯を設置しているはずです。
しかし、オフィス内も災害時にどこを通って廊下まで出るのか経路を考えておくことが大事です。
オフィス内の避難経路を考える際に大事なのは、オフィス内から出る際に従業員が無理なくすれ違える程度の十分な幅を確保できているかどうかです。
その経路とする場所の近くに複合機を設置していては意味がありません。
なぜなら、複合機が経路近くにあると地震による強い揺れによって倒れたり動いたりしたことで経路を塞いでしまう危険性があるためです。
『火器や水のある近く』
ファンヒーターやストーブといった火器の近くに複合機があると、強い揺れで倒れたり動いたりした際に、複合機がその火器を倒してしまう危険性があります。
最近のものは、衝撃を受けると自動で消火する機能が搭載してはいますが、重い複合機に潰されたことで中から灯油が漏れ出すかもしれません。
地震時には火災が起きることもあります。
もし、火災が起きたオフィス内に灯油が漏れ出ていたら、被害がさらに大きくなってしまうでしょう。
また、水道がある場所の近くに複合機を設置しているオフィスはほとんど見られない現状もあります。
しかし、実際のところウォーターサーバー近くに複合機を置いているオフィスもあるのではないでしょうか。
倒れた際に複合機が破損したことで漏電が起きるかもしれません。
人体は20mA程度の電気が流れると筋肉が収縮・痙攣が起き、自由に動けなくなりますが、複合機にはその1,000倍近くの電気が流れています。
地震でウォーターサーバーから床に水が漏れている場所で漏電が起きていて、その水を避難する方が踏んでしまったら感電してしまいます。
キャスター付き複合機を使用しているのなら万が一の備えは必須!
アジャスターなどを付けて地震対策をしていても、危険性の高い場所に複合機を置かないようにしていても、地震発生時に複合機によって被害が拡大する可能性をゼロにはできません。
そのため、いち早く複合機などの機器や設置物が倒れてこない安全な場所を判断し、そこへ移動できるようにする訓練を日頃からオフィスで行っておいた方がよいでしょう。
避難訓練を行うことで、複合機以外にも転倒・移動の危険があると思われる機器があるかがわかりますし、地震時にどこを経路にして、各自どんな行動をすればいいのかが確認できます。
もし、避難訓練した際に複合機以外にも転倒・移動の危険があると思われる機器があることに気付いたら、紹介した3つのアイテムのどれかを使ってすぐに固定するか別の場所に移動させましょう。
別の場所に移動させる際は、紹介した危険個所以外の場所にしてください。
また、複合機が地震で倒れたことで壊れた場合の備えもしておいた方がいいです。
リースでの導入であれば、導入した複合機に動産保険が付けられる場合もありますが、基本的には地震で複合機が故障してしまった場合、リース契約の動産保険で補償を受けることはできません。
なぜなら、ほとんどの動産保険は地震は適用外だからです。
ただ、対策の手段がないということではありません。
例えば、オフィス・会社で契約している火災保険に契地震危険担保特約とか水災危険担保特約があり、その特約でオフィス内の事務機器が対象となっていたら、補償を受けられる可能性もあります。
その場合、その保険のためにかかる経費が上がってしまうことになりますが、万が一の備えにはなります。
さいごに|安心して業務を行うために日々の点検を!
今回は、複合機のキャスター部分の地震対策について解説しました。
無対策だったという方はこれから取り組んでもらいたいです。
対策済みであっても日々の点検を忘れずに、安全を意識してください。
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