複合機リースの動産総合保険とは?補償と保守は別物?
本記事では、複合機リースの動産総合保険の内容や適用されないケース、請求の手続きなどについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
複合機リースの動産総合保険とは?補償内容について紹介!
複合機は基本的現金購入かリースという選択肢で導入する企業が多いと思いますが、統計上8割ぐらいの企業がリースを選択しております。
リースで導入した企業がしきりに言うのは「リースは補償があるから」という理由で選ばれていますが、では実際どんな補償なのか?と尋ねると詰まってしまう方も多いです。
皆さんがおっしゃる補償というのは、リースに紐づいている動産総合保険という制度の事を指します。
それでは、複合機における動産総合保険について詳しくみていきましょう。
『複合機の動産総合保険とは』
複合機をリースする際、動産総合保険という保険を適用するケースが一般的です。
そもそも、このリース契約に含まれる動産総合保険は、日本国内での偶発的な原因によるさまざまな損害に対して補償が受けられる仕組みです。
リース会社が所有する複合機に対して、リース会社が保険会社と契約し、保険料を支払う形になります。
ちなみに複合機が引き渡され、リース契約が開始される日から契約終了日までが保険の適用期間。契約期間中は、後述する「動産総合保険の補償内容」であれば、いかなる事象においても保険による補償が可能です。
また、再リース契約が行われる際にも、通常は保険が付保(ふほ)されます。
しかし動産総合保険の対象となるトラブルは一定ではなく、リース会社ごとに内容が異なるため注意が必要。対象に含まれるトラブルでも、場合によっては保険金が支払われない場合もあります。
そのため、常に補償が適用されるということではないため契約内容にはしっかりと目を通して理解しておきましょう。
このような動産総合保険は、複合機を一括購入したりレンタルしたりした場合には適用されず、リースに対してのみ適用されます。
『動産総合保険の補償内容』
あまり広く知られていない保険ですが、対応出来るのは「火災」「落雷」「破裂・爆発」「落下・衝突」「風災・雪災」「水濡れ」「いたずら」「盗難」「事故」等による偶然事故が起きた場合に補償がされます。
ちなみに補償額は「損害額 – 自己負担額」となり、動産総合保険が認められれば、残りのリース残債と相殺してリース期間が短くなります。
また、程度によっては事故が起きた時から一切の費用を免除されます。
しかし、リース契約における動産総合保険の適用ケースは、リース会社ごとに異なる内容となるため注意が必要。具体的にどのようなトラブルが補償の対象となるかは、リース会社が独自に決定するということです。
そもそも保険会社は、各リース会社が定めた保険内容を審査し、保険金の支払いを決定します。
例えば、リースされた複合機が水濡れによる損害を受けた場合、リース会社の保険対象であっても、保険会社の承認がなければ補償金を受け取ることはできません。
つまり、保険の対象となっているトラブルでも、すべての場合において補償が保証されるわけではないということには留意しておきましょう。
他にも、会社の従業員による故意的な行為や重大な過失で複合機に損害が発生した場合など、保険金の支払いが拒否されるケースもあります。
複合機のリース契約をする際には、リース会社が定めた保険内容や保険会社の適用範囲などを事前にしっかりと確認しましょう。
動産総合保険では複合機の保守メンテナンスをしてもらえない!
幾度かコラムに書いてますし先ほどの書きましたが、リースの動産総合保険にはメンテナンスが付いているという認識の方が非常に多いです。
しかし、その動産総合保険の補償とメーカーや代理店が行う保守メンテナンスは全くの別物で、リース契約だけしてもメンテナンスは出来ません。
複合機にはリース契約以外に保守契約というものをメーカーと結んで頂く必要があり、これを書いて保守メンテナンスが出来るのです。
この保守契約は別名カウンター保守契約というもので、カウンター料金をお支払いしていれば無料でメンテナンスを受ける事が出来ます。
複合機における動産総合保険の適用例は?注意点についても解説!
複合機のトラブルにおいて動産総合保険は、どのようなケースでも適用されるわけではありません。
一般的な動産総合保険の適用例からみていきましょう。
『動産総合保険の適用例』
リースされている複合機において、動産総合保険が適用される主な事例としては、補償内容のところでも前述したとおりです。
そこで適用例について、下記にまとめました。
- 自然災害(火災、落雷、風災、雪災、雹災など)
- 盗難・破損による損害
- 航空機からの落下物や航空機の墜落による損害
- リース複合機を輸送する車や船舶の衝突、転覆、脱線、沈没による損害
- 労働争議による暴行によって受けた損害
- 建物や橋の崩壊による損害
- 水濡れによる損害
- 誤った操作による損害
さらに、これら一般的な適用範囲とは別に、ショートやスパークや水災による損害や、過電流などの偶発的な電気事故による損害をカバーする動産総合保険があるリース会社も存在します。
前述したように、保険の対象となる事故はリース会社ごとに異なるため、見積もりを取る際には細かく確認する必要があります。
また、適用される事故であっても故意や過失がある場合には保険金の支払いが拒否されることもありますため、過失の判断基準なども慎重に確認しましょう。
『適用されない場合』
複合機の動産総合保険においては、下記のように適用範囲外となるケースもあるため注意が必要です。
- 故意な行為や重大な過失による損害
- 自然に起因する消耗や傷
- 変質や腐食、さびといった性質上の損害
- ねずみや虫による損害
- 戦争や暴動などの事変による損害
- 差し押さえや徴発、没収など公権力による損害
- 原子力による損害
- 詐欺や横領、置き忘れによる損害
- 消耗品や部品の単独損害
- 故障や欠陥、劣化による損害
- 傷や擦り傷、汚れ、しみといった外観上の損害
- さらにはコンピューターウイルスによる損害
- 地震や噴火、津波による損害
これらの損害については、一般的に動産総合保険の適用対象外となっています。
またリースされた複合機において地震保険が適用されるケースはほとんどなく、地震や津波によって損害を受けた場合、通常は会社が損害金を負担することが一般的です。
日本では地震や津波の災害に見舞われる確率が比較的高いため、契約時にこの点について十分に留意することが重要です。
複合機に動産総合保険が付いているからと言ってリースが良い訳ではない
リース契約のメリットは動産総合保険以外にもいくつかありますが、デメリットももちろん存在します。
現金購入かリースどちらが良いの?と聞かれたら、お金があるなら現金購入の方が良いと答えますね。
結局のところ、何故動産総合保険の様なメリットだらけの保険が付いてくるのかというと、保険会社の儲けが出ているからなんです。
要するにそれだけ動産総合保険が適応されるケースが少ないんですね。
面白い話で東日本大震災が起こった後、生命保険のCMが流れなくなったという事がありましたが、保険会社も利益が出なければやる理由がありませんよね。
それであったら、50万円の複合機だと10万円ぐらいが料率(金利の様なもの)として持っていかれるので現金購入の方がお得なんです。
さいごに|損得を見極めて複合機の動産総合保険に加入しよう!
今回は、複合機の動産総合保険について解説してきました。
動産総合保険に加入しても、複合機のトラブル内容によっては適用されないばかりか、オフィス環境によっては損をしてしまうためしっかりとコスパを見極めたうえで選択することが重要。
そもそも、複合機トラブルにおいて、動産総合保険が適用されるケース自体少ないです。
万が一のトラブルに備えて動産総合保険に加入して補償を受けるのもよいですが、メーカー側と保守契約を締結して定期的にメンテナンスしてもらうことも念頭におきながら複合機を安全に活用していくことが重要です。
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